マルボロの歴史


タフな男のタバコといえばマルボロというイメージがカウボーイのグラフィックのおかげで定着していますが、じつは紆余曲折を経てマルボロは男らしい男のタバコになったようです。

マルボロの起源:女性のタバコとしての出発


マルボロの名前は、このタバコの工場が当初あったグレートマルボロというロンドンの通りの名前が起源です(現在はマルボロを生産する最大の工場はアメリカのバージニア州リッチモンドにあります)。

1924年にタバコ製造会社のフィリップモリスがマルボロを発売したとき、マルボロは当初は女性向けのタバコでした。マルボロの当初のキャッチコピーは、“Mild as May”(五月のようにマイルド)というものでした。当初の広告も女性をターゲットに制作されていました。

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ところが第二次大戦中にマルボロは売れなくなり、マルボロのブランドは一時的に市場から消えました。この時期にはマルボロと競合する新しいブランドが現れてきていました。たとえば、キャメル、ラッキーストライク、チェスターフィールズといったタバコです。これらは戦時中に主にアメリカ軍の兵士に売られたもので、一般向けにも出回ってきていました。

ブランドイメージの転換:モテる男のタバコへ


1942年にリーダーズダイジェストが「タバコの広告の事実とフィクション」という特集記事を組んだ時、タバコと肺がんの関係が取りざたされ始めました。

この時期になってマルボロは再び市場に投入され、こんどは「安全な」フィルターが付いたブランドとして売られました。ところが他のタバコ会社も同時期にフィルター付きのタバコを売り始めたので、マルボロの新しいブランドイメージを打ち出す必要が出てきました。このときになってマルボロのフェミニンなイメージを脱却して新しい顧客のセグメントに売ることになったのでした。

マルボロが想定した新しい顧客とは、ほとんどニコチン中毒のようにタバコ好きだけれども、肺がんになるのが怖い男性でした。

マルボロマンとして知られるカウボーイは1960年代にはじめて登場しました。このカウボーイのイメージは、マルボロの新しい(男らしい)イメージを打ち出すものでした。このようにしてマルボロは、女にモテるタフな男のタバコというイメージが定着し、白人男性が最も好むタバコの一つになりました。

マルボロは世界で最も価値あるブランドとしてランキング入りし、1992年には320億ドルのマーケットの価値があるとされました。

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